連載(8)八百万神(人)々の結集 日本的宇宙観・人生観


日本的宇宙観

私たちが心の眼を開いて、素直に世の中を見る時、物みな単なる物でもなければ心だけでもない。 いつも物と心が溶け合っています。 それであればこそ、一つの具体的なものとして存在し得るのです。


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例えば「茶碗」一つにしても、陶土や薬品等の物質的材料と、 人の心の中に描かれた図案や労力等の心的な力とが合一して、 初めて一つの茶碗としてできあがるのです。 それひとつですら、物のいのちと、心のいのちとが融和されているのです。 このように宇宙森羅万象のあらゆる現象も、 また、人為的に作り出された品物ですらも、凡そこの世に具体的な姿を持ってあるものは、 悉く物心不二―物と心が区別できず溶け合っている生命的なものの顕現なのです。


しかも、それらの悉くは、その一つ一つが大いなる命、根源的な力、 いわゆる普遍なる大宇宙の霊的なエネルギー(力)で成り立っています。 それが後述する『ムスヒエネルギー』でもあるのです。 そして、そのエネルギーが生き続けていく、その働きの尖端の姿といえるのです。


波に例えて表現するならば、表面にできる波の山の一つ一つは別であっても、 それは同一水のものであり、底もまた共通しているので、 どの波の一つも他との限りない関連によって、生じていることがうなずかれるのです。 また、山にしても同じです。一つ一つは高さも形も違いますが、 どの山裾も同じ土の上に成り立ち、その土は別の山とつながって関連しているのです。


日本的人間観

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一粒の米にしても、この地球上に現れた最初の米粒は決して人間が創り出してはいないのです。 一滴の水、一粒の米にも、大宇宙の大いなる命(ムスヒ)の恵みがこもり、万人の力が加わっています。 その水を飲み、その米を食べて、今日を生きているのですから、 我がこの一瞬の命も、全てが集まって支えられているのです。


この世に現れている全てのものは『物のいのち』と『心のいのち』の両方によって成り立ち、 そして、そのいのちの根源は同じ源から発し循環しながら生かし合っているのです。 従って、一遍に偏り、他の立場を無視するのでなく、それを排撃したりすることは、 大自然の大調和の摂理に背くことになり、やがて自滅の道となるのです。 お互いが心を開いて謙虚になり、他のものから自分に適切なものを摂取し、 限りなく向上しつつ、全体の為に生かし合っていくところに、各々が生きる道があり、 それがそのまま天地自然の大調和に融和することになるのです。


日本的宇宙観・人間観

日本的宇宙観人間観とは、大宇宙の生命を両面から見る、つまり、全体の中に一つを見る側面と一つの中に全体を見る、 さらに全体と一部を融和させる・・・・ 人間の身体で説明するならば、胴体だけがあっても、手や足、目や耳がなければ役立たないし、逆に手や足、目や耳だけではだめで、胴体があってこそ生きられる。 手や足・目・耳は個々ではそれぞれ自分の役目を果たしながら全身を生かしている。
全身も又、全身としての役割を果たしながら手や足・目・耳と繋がっており生かしている。 人間だけでなく、宇宙の生命のすべてが相補の関係で融和し、お互いを生かし合いながら循環して、全体を生かしているのです。


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私たちは宇宙という言葉をよく聞き、使ったりしますが、


宇とは『四方上下』
宙とは『往古来今』


と中国の古書『斉俗訓』に記されていることから宇宙なる名が出たとのことです。それは『無限の広がりをもち、永遠に生き続けるもの』、 すなわち宇宙森羅万象を内に容れて、いつまでも生き続けている何ものかであります。 このような大宇宙生命の働きそのものを捉えて生きようとするのが、日本的宇宙観人間観なのです。 私たちは自らを素直に打ち開いて宇宙に溶け込み、その息吹を内に感じ、 そのいのちを我が身に体感してこそ、初めて大宇宙の真理を知ることができるのです。


産業社会から情報化社会へと移り変わるなかで、 その中心であった欧米文明は、宇宙観は唯物主義、人間観は人間中心の個我実有主義を基盤に栄えてきました。 その結果、人類に未曾有の難問を山積みしてしまったのです。 私たちは、宇宙の真理を知り、人間の生きる目的に目覚めて立ちあがる時なのです。 そして、物質的な物のいのちと精神的ないのちとの両者をむすび、すべてを循環させて生かすことこそ、 万物の霊長である人間の生きる目的であり、 宇宙の大いなる普遍のいのちの連続性の尖端にある、私たちの役割そのものなのです。 今こそ、宇宙そのものの永遠なる生命に目覚め、 人間本位(人間中心)の社会から、普遍の宇宙本位(コスミカリズム中心)の宇宙社会を建設することこそ、 21世紀が破滅の危機から救われるのです。


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